山九株式会社溶接女子インタビュー
山九株式会社(北九州市)プラント事業部/八幡支店

"成長する過程を実感
楽しいと思える環境"

もりさん(2016年入社)

みなみさん(2015年入社)

えすみさん(2014年入社)

性別に関係なく活躍できる会社

工業高校で土木や工業化学を学んだ生徒が入社後2ヵ月の研修を経て、それまで縁のなかった溶接に携わる。大学、大学院と計6年間、化学を学んだ学生は1年の研修を経て、保全技術を担当する。  同社プラント事業部プラント事業統括部品質保証グループに在籍する もりさん は入社に至る経緯をこう振り返る。

もりさん

「県内で交代勤務のない企業を希望した。ライン作業も本意ではなく、最終的に当社の溶接職種を志望した。研修で溶接を初めて経験したときは、鉄板に溶接棒がついて悪戦苦闘した」(もりさん

えすみさん と みなみさん は同社八幡支店戸畑製鋼圧延整備グループ保全技術係に所属する。

えすみさん

 「プラント関係の知人から『大きいものをつくり地図に載る、また、動いているところを見るとうれしい』と聞いて、仕事を通じてうれしい、楽しいと思える環境を希望した。大学院まで研究室にこもることが多く、広い世界に目を向けたい思いもあった」(えすみさん

みなみさん
 

「溶接に興味があることを知っていた教員の勧めで受験する機会を得た。高校は機械科で1年の実技で溶接を初めて経験した。最初はアークを出すのが怖かったものの、溶接棒を鉄板につける周囲とは異なり、自分だけうまくいったことを覚えている」(みなみさん


山九株式会社溶接女子インタビュー

達成感と充実感

みなみさん は2016年の全社溶接競技大会に参加し、入社5年までが対象の初級部門で第3位に入賞した。現在、11月の技能五輪全国大会電気溶接職種に出場するため日々練習を重ねる。「親身になって話を聞いてもらえる上司をはじめ、職場環境、グループ員に恵まれた」

えすみさん は入社4年目で工事計画立案、見積り、積算、顧客との折衝などを担当する。「ある製鉄所の設備をオーバーホールして別の製鉄所に移設後、再稼働する案件を担当している。移設先で設備がすべて組み上がり形になったときは達成感を感じた」

もりさん は、鋼管の付属品取り付けなど応援要請への対応や、H形鋼のリブ取り付けなどの現地工事、工場作業などを担当する。

「前日よりうまくできる日もあればそうでない日もある。思うようなビードが引けるように毎朝、心身ともにいい状態にもっていくことを心がけている」(もりさん


挑戦を後押しする環境

同社では性差なく仕事に打ち込んでもらうための職場環境の整備を積極的に推し進める。今回登場した溶接女子は「日々成長できる。成長していく過程を実感できる。入社当時と現在のビードは異なる。昨年4月に入社して溶接ができることはすごい」(もりさん

「女性にとっては周囲に男性の多い環境の方が楽だと思う。思い切って進路を選んでほしい」(みなみさん

「社会に出て学校で学んだことを活かせる機会はなかなかないと思う。溶接の経験がなくても今日の3人のようにできるようになる。工業系ではないからとか、これまで学んできたことで視野を狭めない方がいいと思う。それぞれがやる気をもち、研修を受けることによって現場に出ることができるし、いろいろなことに挑戦させてもらえる」(えすみさん)とそれぞれ読者にメッセージを送る。

(掲載内容 2017年4月現在)


山九株式会社溶接女子インタビュー

(左から) もりさん、えすみさん、みなみさん